【ななプロ】 [file_13]
 「ななプロ」は"いい仕事をしている"と七日町でウワサになっているプロのみなさんを紹介します。
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【ブレンドコーヒー一筋の女店主】 武田美保子さん
『coffee チャーム』
山形市七日町2-7-5
TEL:023-632-2133
営業時間: 9:00〜18:00
定休: 日曜日

「いつ開店したかって?いつ頃だったかしら?ハッキリ覚えてないの(笑)。たぶん、33年くらい前かしら?」

Coffeeチャアムの武田さんは、七日町で初めてカウンター形式の喫茶店を開店し、以降、七日町の時代の流れを、その「カウンター」越しに見てきた。「色んなことがあったわよ。突然お客様に『コーヒーの入れ方が気に食わない』って水をかけられてねぇ。そういうときに限って、店が混んでて。とにかく、その場は謝って帰っていただいたけど、怖かったわぁ。」

そんな過去のエピソードを彼女に取材をしていると、たまたまその場に居合わせた常連のお客様が、こんなことを話し掛けてきた。(客)「カウンター越しのママは華やかに見えたわぁ。ほら、昔は『喫茶店の女店主』なんていなかったじゃない?」たしかに、今でこそ女性の社会進出は当たり前の世の中だが、開店した33年前は、まだまだ男性社会が色濃い時代である。しかし、そんなお客様の言葉に彼女はこう答えた。「あら、そう?私は、そのせいで白い目で見られたことはあったけど。『誰かスポンサーになってるんじゃないかぁ?』なんてね。本当、失礼しちゃうわ。一人でこの店を切り盛りしてきたことが、私の誇りなんだから。」

来店するお客様一人ひとりのために『サイフォン』を使い、チャアムオリジナルのブレンドコーヒーでおもてなし。多彩なメニューを取り揃えている喫茶店が七日町に相次いで出店してくる中、チャアムは『ブレンド』一本で勝負。「今時の若い子達は、ブレンドなんて飲まないでしょ。でも、ブレンド好きの中高年の人達の憩いの場になってくれたら良いわね。私の店に一人でもお客様がいる限り、生涯現役でがんばるわ。」

ビターな人生を歩んできた彼女にしか出せないコーヒーは、これからも七日町に来るお客様を癒していくだろう。


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