第1分科会のテーマは、「地域社会の元気のために商店街ができること」でした。テーマがとても抽象的なために、方向性や切り口が難しいような気がしましたが、今回の分科会では、「商店街のミッションとアイデンティティ、人のつながりと強い絆づくり」という視点から、このテーマを考えてみました。コーディネーターとゲストパネラーには、以前より七日町商店街とも親交の深い青森の加藤博さんと早稲田の安井潤一郎さんをお迎えしました。
分科会の内容ですが、「商店街は誰のためにあるのか?」「あなたの商店街には、目標とするビジョンが明確にありますか?」「それを共有していますか?」といった問い掛けから加藤さんの講演が始まりました。商店街とは地域住民のものであり、商店街の活性化には、行政、企業、団体、学校、市民など、いろいろな組織との緊密な連携が必要となってくるとの事でした。そして、「福祉対応型商店街」を政策理念に揚げた青森市新町商店街が、NPOや地域団体との連携の中で活動した事例を発表して頂きました。
また安井さんからは環境を切り口として、商店街、学生、地域とが連携して活動している取り組みについての事例を発表して頂きました。楽しく、無理せず、自然体で活性化を進めている取り組みは、多くの人を惹き付け、地域、企業、行政をも巻き込む形になっているとの事でした。
青森市新町商店街と早稲田商店会は、それぞれ地域の特性や規模は違いますが、様々な成功事例があります。その共通点には、政策理念と連携をキーワードとする部分と、活動の中心となる元気なリーダーが存在するということです。
第1分科会の参加者には、政策理念の必要性と連携することの重要性を再確認し、「新しい目標・政策の構築」「地域の結束・意思統一」へのヒントになったのではないかと思います。また、加藤さん・安井さんの「商店街への情熱」「リーダーとしての魅力」も感じてもらえたと思います。
全国の地方都市では、中心市街地の空洞化、商店街の衰退といった問題を抱えていますが、山形市も例外ではありません。これからの商店街は、単に商品を販売するだけの場ではなく、地域全体の中での役割を創出していくとともに、「地域の顔」になっていく必要があるのではないでしょうか。しかしそうした場合、商店街の再活性化という考え方よりも、地域と連携した新しいまちづりといった考えでなければならないのかも知れません。今回のサミットを通じて、商店街の有るべき姿を徹底して議論し、新しい七日町商店街のビジョンが形成できればと思っています。
|