分科会
 第2分科会 「人が集まる商店街」会場:山形市中央公民館4階大会議室
 〜歩いて楽しい街・誰もが来やすい街〜
 コーディネーター: 白木 力氏(熊本・バリアフリーデザイン研究会事務局長)
 パネラー: 政所利子氏(山形カロッツェリア研究会副代表)
      丸山 力氏(沖縄・御萬人鉄道(株)取締役総合計画担当)
      結城幸三氏(七日町商店街振興組合理事相談役)

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第2分科会リーダー 佐久間太樹
 七日町商店街青年会に入会してから、もう一年半が過ぎた。去年の飯山大会の時にはまだ青年会に馴染みきれず、心細く「全国リサイクル商店街サミット」に参加したのを覚えている。あの時は、まさか自分がこんな大役を任されるとは思ってもいなかったが、飯山での経験が相当助けになった。 

 山形大会の4ヶ月前あたりから、徐々に第2分科会の内容の方向性が明らかになってきた。大会の幹部メンバーが決めたことは、「人が集まる商店街」というテーマ、そして全体をコーディネートするのが、熊本の白木力氏ということであった。そこまで決めた時点で、僕へとバトンタッチされた。「後はよろしく。好きにやっていいよ。」というわけである。白木氏を選んだ理由は「熊本・路面電車サミット」だった。しかし僕は「なぜ、今どき路面電車なんだ?」と疑問を感じた。僕の中で路面電車というのは過去のもので、「路面電車サミット」も一部の愛好者が熱心なノスタルジーの世界なのではないかと・・・。

しかし、調べていくうちに「路面電車は未来の乗り物」「今、世界で最も注目される公共交通システム」などの文字が躍り、世界中で路面電車の復活や新規導入がなされている。先進的な商店街は、公共交通などの都市機能とうまく融合し発展している。商店街の活動は、もはや都市全体の街づくりまで広がっている。僕は「この世界的な、全国的な流れを自分の生まれ故郷の、ここ山形で掘り下げてみたい。」そう思うようになっていた。

第2分科会では、ゲストやコーディネーターの先生方のお話や様々な先進事例の紹介を通して、ある程度の結論が出たと実感している。これから実践すべき課題として「バス事業の民営化」と「七日町大通りの歩行者優先」が挙げられる。他にも様々あるが、この2つについては当初から目を付けていた裏テーマでもあった。

 まず「バス事業の民営化」については、打ち合わせの段階からゲストやコーディネーターの先生方と意見が一致しており、分科会の内容も充実したものとなった。NPO、TMO、株式会社など、様々な運営構想、事例が発表された。考え方に多少の違いはあったものの、「独立採算」「利便性の向上」「地域密着」などの基本な考えに変わりはなかった。

次に「七日町大通りの歩行者優先」についてだが、ゲストやコーディネーターの先生方が山形の方ではなかったので、深い議論までには至らなかった。しかし、七日町にとってかなり大きな収穫があったと実感している。今までも七日町の道路形態については議論されてきたが、「対面通行かモール化か」などというように極端な話が多かったように感じる。対面通行ではバスは便利になるが、歩行者優先の実現が困難だし、トランジェットモールも交通網の発達したヨーロッパと違い、山形ではうまく機能しそうもない。なんとか車と公共交通と歩行者が共存できる方法がないのか。その一つの可能性として、フランスで開発された交通システム「ゾーン30」が紹介された。「ゾーン内であればどこからでも横断が可能で、車はすぐ止まれる速度で走行しなければならない」というものだ。対面通行にこれを組み合わせれば、車と公共交通と歩行者の共存が可能なのではないかと考えている。

 最後に、第2分科会をサポートしてくれた全ての方々にお礼を言いたいと思う。はじめはうまく自分の考えがまとまらず、またうまく表現できずに周りの人達に迷惑を掛けてしまったが、それでも信じて見守ってくれたことを本当に感謝している。お陰で内容は思い通りに展開できたと満足している。

 サミットは終了したが、これで終わりではなく、分科会の内容を今後の活動の指針とし、これからの様々な活動を通して、一つ一つ実現させていきたいと思う。

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